31st APEC Finance Ministers’ Meeting Joint Statement (tentative translation) 

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Monthly Fiscal and Financial Statistics Report No. 863 has been published

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Statement of the G7 Minister of Finance on Special Early Profit Loans (ERA Loans) Initiative (tentative translation) 

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Statement of Japan at the 110th World Bank and IMF Joint Development Committee 

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1.はじめに世界各地において最近発生した洪水や台風等によりお亡くなりになられた方々並びにその御家族に心からの哀悼の意を表するとともに、負傷者の方々にお見舞いを申し上げます。世界は、新型コロナウイルスによるパンデミックに続き、ロシアによるウクライナ侵略や中東における紛争といった地政学的危機に直面し、その結果、所得格差の拡大、債務危機、脆弱性の高まり等の問題が深刻化しています。同時に、国際保健、気候変動、自然災害への強靱性強化をはじめとする長期的な開発課題への対応も必要です。こうした課題への対応に果たす世界銀行グループ(WBG)の役割の重要性を踏まえ、日本としてWBGに期待する点及び日本の貢献につき、以下のとおり述べます。2.世銀改革日本は、WBGにおいて、業務モデル及び財務モデルの見直しを含む、より良くより大きな銀行(better and bigger bank)に向けた取組が進展していることを高く評価します。業務面では、危機対応ツールキットの円滑な導入を歓迎し、特に脆弱性の高い低所得国においてその活用が進むことを期待します。また、地球規模課題プログラム(GCP)の進捗及びWBGアカデミーの開始を支持するとともに、こうした取組を通じてOne WBGアプローチが一層推進されることを期待します。日本は、これまでも東京開発ラーニングセンター(TDLC)や「日本開発政策・人材育成基金(PHRD)」を通じて、知見共有や途上国政府の能力構築に取り組んできました。WBGが進める初のデジタルアカデミーの本年末までの日本開催等を通じ、デジタル分野で取組が強化されることを期待します。財務面では、まず自己資本の十分性に関する枠組み(CAF)レビューの提言に沿った取組の継続が重要です。ストレス下における財務基盤強化のための回復措置の導入を含め、WBGによるこれまでの取組を評価します。また、更なる資金基盤の強化を議論する前に、これまでの取組により生み出された追加的な財務能力の進捗把握を行うことも必要です。日本は、日本が拠出を表明したポートフォリオ保証プラットフォーム(PGP)や「居住可能な地球基金(LPF)」を含む「資金インセンティブのための枠組み(FFI)」に対して、ドナー国による貢献を引き続き慫慂します。加えて、その重要性に鑑み、国際復興開発銀行(IBRD)や国際金融公社(IFC)を含むWBG全体として、国際開発協会(IDA)の資金基盤を強化する方法について検討することを求めます。途上国による持続的な成長を後押しするには、民間資金動員の強化が不可欠です。こうした観点から、多数国間投資保証機関(MIGA)による2030年までにWBGの年間保証の付保額を200億ドルまで拡大するとの野心的な目標及びIFCによる証券化プラットフォーム(WESP)の開発を歓迎します。また、IFCが新しいビジョンの下、IDA国及び脆弱・紛争国への支援を強化すること、及びMIGAが人材増強を通じてWBG保証プラットフォームを主導することを期待します。途上国が自律的な成長を実現する上で、国内税制と税の執行能力の強化を通じた国内資金動員の強化は喫緊の重要な課題です。世界銀行・IMFを中心に、関係国際機関から成る「税に関する協働のためのプラットフォーム」の役割を発展させ、税に関する技術支援の戦略を共有し、その実効性及び効率性を高めることを期待します。わが国は、税の分野の課題を把握し、的確な技術支援のニーズを特定するため、メンバー国・非国家地域の税の専門家同士が、国際機関と共に定期的な対話を行うことを慫慂します。3.ウクライナへの支援ロシアのウクライナに対する不法かつ、不当で、いわれのない侵略を2年8か月にも亘り継続していることに対し、改めて、最も強い言葉で非難します。世界経済の見通しに対する不確実性要素であるロシアのウクライナに対する不法な侵略の即時の終結を求めます。戦争が長期化する中、国際社会が結束してウクライナの経済支援を継続することは重要であり、その基礎となるIMFの拡大信用供与措置(EFF)の5次レビューが完了したことを歓迎し、今後予定されるレビューも成功裡に完了することを期待します。この文脈で、ロシアの凍結資産から生じる特別収益により返済される、500億ドル規模の新たな融資の枠組み(ERAローン)については、本年6月のG7プーリア・サミットにおいて一致した本年末までの立上げに向けて、日本は、関係各国と連携してきました。ERAローンの実施に向け、G7において議論が進展しています。また、ウクライナ支援のための新たな金融仲介基金の設立が理事会で承認されたことを歓迎します。日本は、引き続き、関係各国と緊密に連携しながら、本枠組みの立上げに向けて、さらに議論を進めます。日本の二国間支援として、2024年においては、20億ドルのIBRD融資に対する信用補完をコミットしており、最初の案件として、教育関連プロジェクトの実施が進められていることを歓迎します。利払いの元本化によりウクライナの利払い負担も引き続き軽減します。日本は、今後ともウクライナが必要とする財政ニーズや復興需要に対応していくため、引き続きWBGと連携しながら支援を行います。4.地球規模課題・地域課題への対応続いて、地球規模課題及び地域課題について、日本として重視する点及びWBGに期待する点を以下のとおり述べます。(1)国際保健次なるパンデミックへの予防・備え・対応(PPR)の強化のための継続的な取組と、その基盤となる保健システム強化やユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成に向けた取組を両輪で進めることが必要です。日本は、2030年までに15億人に質の高い手頃な保健サービスを提供するというWBGの目標を支持します。来年東京に設立予定の「UHCナレッジハブ」は、UHC達成のための国際的な拠点として、特に保健財政に重点を置き途上国の財務・保健当局の人材育成を支援するものであり、WBGの当該目標達成に資する重要な取組です。日本は、WBG及び世界保健機関(WHO)と連携して、設立に向けた準備を早急に進めています。また、日本はかねてよりPHRDを通じてUHC達成に向けた取組を推進してきました。本年より開始されたUHCプログラムのフェーズ4に対し、6百万ドルを追加拠出するとともに、保健財政に関する能力不足、高齢化、気候変動の保健への影響といった課題への対応を強化していきます。世界の感染症との闘いは終わっていません。今般のエムポックスの感染拡大に対し、日本政府は、コンゴ民主共和国からワクチン約300万回分の供与の要請を受けて、同国政府への供与に向けて手続を進めています。また、日本は、パンデミック基金によるエムポックス対応のための10か国に対する128.89百万ドルの早期支援の提供を支持し、同基金が途上国のPPR強化において中心的な役割を果たし続けるよう、引き続き支援していきます。この観点から、日本は、パンデミック基金の増資において、50百万ドルの追加貢献を行う意向です。また、「G20財務・保健合同タスクフォース」における、対応資金に関する「オペレーショナル・プレイブック」の作成へのWBGの貢献を歓迎します。日本としてWBGや様々な関係機関と連携し、パンデミック発生を想定したシミュレーションの定期的な実施を通じて、当該プレイブックをより実践的な内容に改善することを含め、対応資金の強化に向けた議論を引き続き進めていきます。また、エムポックスの感染拡大は、我々に平時よりパンデミックへの備えを強化することの重要性を改めて想起させました。こうした観点からは、保健システムの強化及びUHCの実現とパンデミックPPRを不可分のものと位置づけ、信託基金間の協調強化や統合を含め、より一体的な取組を推進することが肝要です。人々の栄養改善は、人的資本の強化に資し、UHC達成のために不可欠な要素です。日本は、来年3月の栄養サミットに向け、栄養分野のWBGの取組を支援するため、「Scaling Up Nutrition(SUN)信託基金」に対して5.5百万ドルの追加貢献を行います。(2)気候変動・インフラ気候変動の対応においては、開発との両立を図りつつ、緩和と適応の両面から各国の事情を踏まえた野心的かつ現実的な移行の道筋を構築することが必要です。緩和においては、ネット・ゼロ実現に向けて、低・中所得国がクリーン・エネルギー製品のサプライチェーンにおける役割を強化することが重要です。日本は、昨年のRISEパートナーシップの立上げを主導し、以降、インドでのLocal Information Platform開催等を支援してきました。現在はアフリカ南部地域での取組が進行中であり、来年は第9回アフリカ開発会議(TICAD)も開催されるところ、One WBGとしてIFCを含めたWBG内の緊密な連携を通じ、RISEの取組が着実に進展するよう日本としても引き続き強く後押ししていきます。適応においては、防災の主流化や自然災害に強いインフラの整備を推進し続けることが重要です。本年6月には、グローバルファシリティ(GFDRR)の主導のもと世界銀行による「防災グローバルフォーラム2024」が兵庫県姫路市で開催されました。その場で、自然災害に対するリスク軽減及び備えを目指す上での課題等について広く知見が共有されたことを歓迎します。日本が支援する「日本-世界銀行防災共同プログラム」は今年で設立から10年の節目を迎え、これまで100か国以上の国々に対して技術支援を行ってきました。今後も同プログラムを通じて、酷暑対策等の新たなリスクに対応すべく、デジタルや保健など様々なセクターとの協働を強化し、途上国のニーズに即した解決策につながる知見共有を行っていきます。また、強靱性強化の観点からは、質の高いインフラ投資も重要です。日本は、本年10月より開始した「質の高いインフラパートナーシップ(QIIP)基金」フェーズ3に対し、4年間で40百万ドルの貢献を行う意向です。(3)債務問題債務の脆弱性は、低所得国に加え一部の中所得国においても引き続き深刻です。こうした国々が中長期的に開発課題を解決していくためには、債務透明性の向上と債務管理能力強化を伴う形で、債務の持続可能性を回復することが喫緊の課題です。低所得国については、「共通枠組」の下、債権者委員会による債務措置を、予測可能で、適時に、秩序立ち、かつ連携した方法で実施することが必要です。そのため、G20として、タイムラインの改善にコミットすることで、信頼性を高めることが重要です。また、中所得国であるスリランカの債務再編においては、共同議長である日仏印の主導の下、債権国会合各国の協力を得て、再編条件の詳細を規定する覚書(MoU)の署名完了に至ったことを歓迎します。本事例が今後の中所得国の債務再編のリーディング・ケースとなることを期待するとともに、スリランカが他の債権者とも透明性高く公平な債務再編の実施に取り組むことを求めます。債務危機を未然に防ぐには、平時から債務データの透明性・正確性を高める取組が不可欠です。この点、債権国がWBGに債権データを共有し、WBGが突合作業を行うData Sharing Exercise(DSE)は画期的な取組であり、日本は、WBGと協調してDSEの参加国の拡大と定例化に取り組んでいます。また、途上国の債務管理能力の強化のため、日本は世界銀行が管理する債務管理ファシリティ(DMF)に資金貢献を行っており、こうした取組等を通じて、途上国の債務の透明性・持続可能性向上を引き続き支援していきます。(4)太平洋島嶼国太平洋島嶼国は、その地理的特性に由来する脆弱性を抱えており、様々な開発課題に直面しています。日本はこれまで、気候変動と質の高いインフラ投資、金融の健全性と包摂性、債務の持続可能性といった分野において、JICA等を通じた二国間支援や、世界銀行、アジア開発銀行、IMF等の国際金融機関を通じた多国間支援等により、太平洋島嶼国の課題の解決に貢献してきました。同地域が持続可能かつ包摂的な成長を達成していくためには、金融システムの健全性と包摂性を確保することが極めて重要です。この文脈で、同地域におけるコルレス銀行のサービスを維持することは、それらの国の国際金融市場へのアクセスの維持に繋がり、経済発展と社会生活の安定を達成するためにも重要です。この観点から、日本は、太平洋島嶼国の開発パートナーとして、世界銀行が推進している太平洋島嶼国向けの「コルレス銀行関係(CBR)プロジェクト」支援することでこの問題に取り組む所存です。また、同プロジェクトのフェーズ2に向けたフィージビリティ・スタディに対して、同志国と協調して支援することを表明します。5.IDA第21次増資IDAは、低所得国が持続的な貧困削減を実現する上で最も重要な支援機関であり、日本はこれまでも主要ドナーとしてIDAを支援してきました。IDA第21次増資(IDA21)は、IDA国が貧困の拡大、債務増加、脆弱性・紛争・暴力等の複合的な危機に直面する中、重大な岐路にあります。日本は、マネジメント及び借入国と共に、IDA21の成功に向けて貢献していきます。日本は、IDA21において、成果と効率性を重視した新しい政策パッケージが提案されたことを評価します。その上で、UHC、パンデミックへの備えと自然災害に対する強靱性強化を含む危機への備え、質の高いインフラ投資、債務の持続可能性、サプライチェーンの強靱化といった重要な課題への対応がしっかりと行われることを求めます。また、IDA21の成功のためには、ドナー国、借入国及びマネジメントの三者の努力が不可欠です。伝統的ドナーに加え、新興ドナーからの資金貢献も重要です。こうしたIDAへの貢献に国民の理解を得るためにも、日本は、IDAの活動や成果について、日本語を含む多言語での一層の広報活動及び情報発信が行われることを求めます。日本は、低所得国支援に果たすIDAの重要性に鑑み、引き続き、相応の貢献をしてまいります。6.結語IMF・世界銀行の設立が合意されてから今年で80周年を迎えました。この間、IMFは貧困削減・成長トラスト(PRGT)、WBGはIDAを通じて低所得国支援を強化するなど、新興開発課題に対処してきました。他方、世界経済を取り巻く環境は大きく変化を遂げ、更なる取組が求められています。日本は、ゲオルギエバ専務理事及びバンガ総裁のリーダーシップの下、IMF及びWBGが、それぞれの比較優位を踏まえつつ協働し、複雑化する世界の開発課題に対処すべく、主導的な役割を果たし続けることを期待します。(以 上)財務省ホームページトップへ戻る公式SNS〒100-8940 東京都千代田区霞が関3-1-1電話番号:03-3581-4111(代表)法人番号 8000012050001ご意見箱所在地案内プライバシーポリシー著作権・リンク等についてウェブアクセシビリティソーシャルメディア アカウント運用ポリシーヘルプ(サイトの使い方)Copyright © Ministry of Finance Japan. 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79th IMF and World Bank Annual Meeting of the General Affairs Minister Kato 

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日本経済は、春闘における33年ぶりの高水準の賃上げ、史上最高水準の設備投資などを実現し、デフレ脱却のチャンスを迎えています。賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現しつつ、財政状況の改善を進めることで、力強く発展する、危機に強靭な経済・財政をつくります。2.IMF及びWBGへの期待 米国ニューハンプシャー州ブレトンウッズにてIMF及び世界銀行(国際復興開発銀行(IBRD))の設立が合意されてから今年で80周年を迎えます。二度目の世界大戦へと至る過程から得られた教訓を踏まえて創設された両機関の当初のミッションは、加盟国の戦後復興を支えることでした。即ち、IMFは、ドルを中心とする固定相場制を維持することで、世界経済の安定と貿易の拡大を促し、世銀は、インフラ等の再構築に必要な長期資金を低利で貸し付けることで、加盟国の経済復興を後押しする役割を果たしました。その後、変化する国際経済・金融情勢の中で、IMF及び世銀は適切にその役割を変遷させてきました。 IMFについては、国際通貨体制が変動相場制に移行する中、各国の外貨準備の融通を通じた短期的な国際収支問題への対応を担うようになりました。その後も、IMFの機能は、低所得国支援や気候変動の影響等に対する加盟国の強靭性を高める支援も含む形へと拡大しています。 世銀については、加盟国の異なる発展段階や多様な資金需要に応じるため、中所得国への支援を中心とするIBRDに加え、国際開発協会(IDA)を通じて低所得国への支援を強化するとともに、国際金融公社(IFC)及び多数国間投資保証機関(MIGA)を通じて途上国における民間資金動員の促進にも貢献してきました。近年は、気候変動や感染症等、国境を越えて広がる地球規模課題の解決にも重要な役割を果たしています。 現在、世界経済は、気候変動に伴う災害の頻度と規模の激化、パンデミックの発生、地政学的緊張の深刻化、人口動態の変化、そして劇的な技術革新等による大きな構造変容に直面しています。こうした中、ブレトンウッズ80周年にあたる本年は、両機関の今後の役割や在り方の議論を深める好機です。このような問題意識の下、以下では、IMF、WBG、それぞれへの期待について述べた上で、両機関が連携して取り組むべき課題について我が国の考えを示します。① IMFへの期待 まず、各国の国際収支に大きな影響を与える課題への対応というIMFのコアマンデートや、他の機関からの関与を引き出すIMFの触媒機能の重要性は今後とも変わらないものと考えます。 その上で、世界金融危機を契機に創設され、パンデミックの影響に対応すべく拡大された「貧困削減・成長トラスト(PRGT)」を通じた低所得国支援の役割は、今後より一層重要性が高まることが予想され、IMFのコア業務と位置付けるべきです。 日本も長年にわたりPRGTへの貢献を通じて低所得国を支援してきましたが、今後、コア業務として、その財源を円滑かつ確実に確保できる仕組みを整える必要があります。まずは先般の理事会の合意に基づき、全加盟国が協力すべきです。その上で、一般融資勘定の純益をPRGT利子補給金に安定的に移転可能とすべく、協定改正も含めた議論が必要と考えます。 IMFの能力開発は、融資・サーベイランスと並ぶ重要な業務であり、「能力開発戦略レビュー」を踏まえた更なる強化が必要です。その際、融資、サーベイランス及び能力開発を関連付け、より一層統合的に提供することが必要です。 日本は、IMFの能力開発活動の重要性に鑑み、長年にわたり最大のドナーとして貢献してきました。今後、能力開発がより一層重要となっていくことを踏まえれば、コア業務として、メンバー国からの自発的な財政貢献の位置付けも含め、財源の在り方について改めて議論すべきです。 技術革新への対応も重要です。特に、途上国を含め、様々な国で中央銀行デジタル通貨(CBDC)導入に向けた検討が進展する中、金融安定性や資本フロー、金融政策や国際通貨システムに及ぼし得る影響も念頭においた CBDCの制度設計や規制の実施が重要です。 この点、IMFの進めている「CBDCハンドブック」が最新の知見を取り入れながら充実・更新され、各国の政策当局者のCBDC導入に係る適切な判断とリスク対応に資するものとなるよう、日本は引き続き支援していく方針です。 国際金融システムの強靱性と十全性の保持に向けて、規模の大きな加盟国の構造問題が、貿易や投資を通じて、他の加盟国や世界経済に負の波及効果を与え得るリスクにも留意が必要です。加盟国が建設的な対話を通じてこの問題を解決できるよう、IMFには、他の国際機関とも連携しつつ、サーベイランス機能等を活用して、客観的な議論の土台を提供することを期待します。 最後に、クォータの見直しについて申し上げます。クォータはIMFの在り方を体現する、組織の基盤です。だからこそ、第16次増資を着実に実施すべきです。 そして、第17次増資のアプローチについて議論をする際には、上述のとおり、IMFのコア業務と位置付けるべき低所得国支援や能力開発等への加盟国からの財政貢献も勘案すべきであり、その扱いも含め、IMFの役割の議論と併せて、包括的な検討をすべきです。② WBGへの期待 世銀改革について、まず、日本は、業務モデル及び財務モデルの見直しを含む、より良くより大きな銀行(better and bigger Bank)に向けた取組が進展していることを高く評価します。 業務面では、危機対応ツールキットの円滑な導入を歓迎し、特に脆弱性の高い低所得国においてその活用が進むことを期待します。また、地球規模課題プログラム(GCP)の進捗及びWBGアカデミーの開始を支持するとともに、こうした取組を通じてOne WBGアプローチが一層推進されることを期待します。また、WBGが進める初のデジタルアカデミーの本年末までの日本開催等を通じ、デジタル分野で取組が強化されることを期待します。 財務面では、まず自己資本の十分性に関する枠組み(CAF)レビューの提言に沿った取組の継続が重要であり、WBGによるこれまでの取組を評価します。また、日本が拠出を表明したポートフォリオ保証プラットフォーム(PGP)や「居住可能な地球基金(LPF)」を含む「資金インセンティブのための枠組み(FFI)」に関して、その進捗を歓迎します。加えて、日本は、IDAについて、その低所得国支援に果たす役割の重要性に鑑み、引き続き、相応の貢献をしてまいります。 途上国による持続的な成長を後押しするには、民間資金動員の強化も不可欠です。IFCが新しいビジョンの下、IDA国及び脆弱・紛争国への支援を強化すること、及びMIGAが人材増強を通じてWBG保証プラットフォームを主導することを期待します。 次に、国際保健については、次なるパンデミックへの予防・備え・対応の強化のための継続的な取組と、その基盤となる保健システム強化やユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成に向けた取組を両輪で進めることが必要です。来年東京に設立予定の「UHCナレッジハブ」は、UHC達成のための国際的な拠点として、特に保健財政に重点を置き途上国の財務・保健当局の人材育成を支援するものであり、早期設立に向けて、WBGと世界保健機関(WHO)が連携して取り組むことを期待します。 最後に、気候変動については、開発との両立を図りつつ、緩和と適応の両面から各国の事情を踏まえた野心的かつ現実的な移行の道筋を構築することが必要です。緩和においては、日本は、ネット・ゼロ実現に向けて、RISEパートナーシップを通じ、低・中所得国がクリーン・エネルギー製品のサプライチェーンにおける役割を強化することを期待します。また、適応においては、防災の主流化や自然災害に強いインフラの整備が重要です。日本は、世界銀行東京防災ハブや「質の高いインフラパートナーシップ基金」を通じ、WBGのこうした取組を支援していきます。③ IMF・WBG間の連携強化 最後に、両機関が連携して取り組むべき課題として、債務問題への対応、流動性の問題に直面する途上国への支援、及び国内資金動員(DRM)の強化について、日本の考えを示します。 まず、途上国が中長期的に開発課題を解決していくためには、債務の持続可能性の回復が喫緊の課題です。低所得国については、「共通枠組」の予測可能で、適時の、秩序立った、連携した方法での実施が重要です。中所得国の債務再編については、日仏印の主導の下、パリクラブ・非パリクラブの垣根を越えた協調枠組みの下で迅速に合意に至ったスリランカのケースでの経験と教訓を、今後発生し得る他のケースに適用すべきです。 また、データ共有の取組等を通じた債務透明性の向上も解決すべき重要な課題です。この点、日本とWBGの協調による、債務関連データを共有する取組について、定例化と他の債権国への参加を呼びかけます。 こうした足元の努力に加え、債務問題の再発防止に向け、今後、債務持続可能性に配慮した貸付慣行の定着に向けて、IMFとWBGには、公的債務にかかるグローバルラウンドテーブル(GSDR)等を通じた加盟国間の対話や政策協調の促進を期待します。 また、外部環境が激変する中、健全なマクロ政策にコミットしつつも流動性の問題に直面する国に向けた、IMF・WBGによる「三本柱のアプローチ」の提案を評価し、議論の前進を期待します。今後、具体的なケースへの対応を検討する際は、債務持続可能性分析をベースとすること、安易な資金提供が構造改革の意欲を損ねるモラルハザードに留意すること、及びチェンマイイニシアティブの下に創設された「緊急融資ファシリティ」等の地域金融取極との連携も考慮することが重要です。 最後に、構造問題を解決し、持続的な成長を実現する上で、DRMは、特に重点を置くべき分野です。日本は、IMFとWBGが行う「共同国内資金動員イニシアティブ」を評価するとともに、IMF・WBGを中心に、関係国際機関から成る「税に関する協働のためのプラットフォーム」の役割を発展させ、技術支援の戦略を共有し、その実効性及び効率性を更に高めることを期待します。 各国が直面する税分野の課題を把握し、的確な技術支援のニーズを特定するため、メンバー国・非国家地域の税の専門家が一堂に会して、国際機関と共に定期的な対話を行うことを慫慂します。3.結び  日本は、1952年のIMF及び世銀への加盟以来、多国間主義の精神をもって両機関を支えてきました。 今後も、両機関が、世界経済の構造変容に適応し、加盟国の抱える問題やグローバル課題により一層効果的に対応できるよう、日本は、両機関の改革に関わる議論を主導し、そのミッションの実現に貢献してまいります。また、日本は、IMF及びWBGにおける人的貢献にも引き続き取り組みます。(以 上)財務省ホームページトップへ戻る公式SNS〒100-8940 東京都千代田区霞が関3-1-1電話番号:03-3581-4111(代表)法人番号 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