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 残留性有機汚染物質を国際的に規制するストックホルム条約による規制対象物質について検討を行う「残留性有機汚染物質検討委員会」(POPRC)の第20回会合が、2024年9月23日~同年9月27日(現地時間)の日程で、イタリア共和国・ローマで開催されました。  本会合では、クロルピリホス、中鎖塩素化パラフィン(炭素数14~17までのものであって、塩素の含有量が全重量の45%以上のものに限る。)並びに長鎖ペルフルオロカルボン酸(LC-PFCA)とその塩及びLC-PFCA関連物質について、リスク管理に関する評価及びPOPs条約上の位置付け(製造・使用等の「廃絶」)について検討し、条約上の廃絶対象物質(附属書A)への追加を締約国会議に勧告することが決定されました。  また、新たに提案されたポリ臭素化ジベンゾ-p-ジオキシン及びジベンゾフランについて、リスクプロファイル案を作成する段階に進めることが決定されました。 ,  「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」は、環境中での残留性、生物蓄積性、人や生物への毒性が高く、長距離移動性が懸念されるポリ塩化ビフェニル(PCB)、DDT等の残留性有機汚染物質(POPs:Persistent Organic Pollutants)の製造及び使用の廃絶や制限、その意図的でない生成による放出の削減等の規制に関する条約です。   規制対象物質について検討を行う「残留性有機汚染物質検討委員会」(POPRC。加盟国の31人の専門家から構成。)においては、加盟国から提案された物質について、①スクリーニング、②危険性に関する詳細検討(リスクプロファイル)、③リスク管理に関する評価の検討の3段階のプロセスを経て、締約国会議(COP)に勧告します。  COPでの決定の後、各加盟国は、対象物質について製造、使用等を規制することになります。我が国では、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(昭和48年法律第117号)」等によって規制します。 ,  POPRCの第20回会合(POPRC20)は、2024年9月23日~27日にイタリア共和国のローマで開催され、我が国からは、メンバーとして金原和秀静岡大学学長特別補佐が、また、オブザーバーとして環境省・経済産業省の担当官等が出席しました。  POPRC20で決定した内容は、以下のとおりです。 , ①クロルピリホス(提案国:欧州連合) 【主な用途】殺虫剤  リスク管理に関する評価及びPOPs条約上の位置付け(製造・使用等の「廃絶」)について検討し、一部の農作物の害虫駆除や牛のダニ駆除、建築物の基礎に用いる木材の害虫からの保護のためのクロルピリホスの使用を適用除外とした上で、廃絶対象物質(附属書A)に追加することにつき、次回ストックホルム条約第12回締約国会議(COP12。2025年4~5月開催予定。)に勧告することが決定されました。 ②中鎖塩素化パラフィン(MCCP)(提案国:英国) 【主な用途】金属加工油剤・難燃性樹脂原料等  リスク管理に関する評価及びPOPs条約上の位置付け(製造・使用等の「廃絶」)について検討し、規制の対象となるMCCPの定義の範囲については炭素数14~17までのものであって塩素の含有量が全重量の45%以上であるものを対象とすると共に、自動車、分析機器や制御機器等の電気電子機器、医療機器に用いる金属加工油剤や修理用部品等のための MCCP の使用(加工プロセスを含む。)を適用除外とした上で、廃絶対象物質(附属書A)に追加することにつき、COP12に勧告することが決定されました。 ③長鎖ペルフルオロカルボン酸(LC-PFCA)※とその塩及びLC-PFCA関連物質(提案国:カナダ) ※ 炭素数:9~21 【主な用途】フッ素ポリマー加工助剤、界面活性剤等  リスク管理に関する評価及びPOPs条約上の位置付け(製造・使用等の「廃絶」)について検討し、交換用部品として設計された半導体や自動車の交換用部品のためのLC-PFCAの使用を適用除外とした上で、廃絶対象物質(附属書A)に追加することにつき、COP12に勧告することが決定されました。 , ①ポリ臭素化ジベンゾ-p-ジオキシン及びジベンゾフラン(提案国:スイス連邦) 【主な用途】非意図的生成物  提案国から提出された提案書について、残留性、濃縮性、長距離移動性及び毒性等を審議した結果、ポリ臭素化ジベンゾーp-ジオキシン及びジベンゾフランがスクリーニング基準を満たすとの結論に達し、次回会合(POPRC21、2025年9~10月開催予定)に向けてリスクプロファイル案を作成する段階に進めることが決定されました。 ,  在庫、使用中の製品及び成形品並びに廃棄物に含まれる残留性有機汚染物質の特定に関する文書や臭素化ジフェニルエーテルの評価及び検討に関する文書の検討が行われました。 ,  次回会合(POPRC21)は2025年9~10月にイタリア共和国・ローマで開催される予定です。また、POPRC19及びPOPRC20の結果を踏まえた第12回締約国会議(COP12)は2025年4~5月にスイス連邦・ジュネーブで開催される予定です。 , 連絡先 環境省大臣官房環境保健部化学物質安全課 代表 03-3581-3351 直通 03-5521-8261 企画官 長谷川 敬洋 専門官 西川 玄希 担当 酒井 学 環境省大臣官房環境保健部化学物質安全課化学物質審査室 代表 03-3581-3351 直通 03-5521-8253 室長 長谷川 敬洋

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 残留性有機汚染物質を国際的に規制するストックホルム条約による規制対象物質について検討を行う「残留性有機汚染物質検討委員会」(POPRC)の第20回会合が、2024年9月23日~同年9月27日(現地時間)の日程で、イタリア共和国・ローマで開催されました。  本会合では、クロルピリホス、中鎖塩素化パラフィン(炭素数14~17までのものであって、塩素の含有量が全重量の45%以上のものに限る。)並びに長鎖ペルフルオロカルボン酸(LC-PFCA)とその塩及びLC-PFCA関連物質について、リスク管理に関する評価及びPOPs条約上の位置付け(製造・使用等の「廃絶」)について検討し、条約上の廃絶対象物質(附属書A)への追加を締約国会議に勧告することが決定されました。  また、新たに提案されたポリ臭素化ジベンゾ-p-ジオキシン及びジベンゾフランについて、リスクプロファイル案を作成する段階に進めることが決定されました。 ,  「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」は、環境中での残留性、生物蓄積性、人や生物への毒性が高く、長距離移動性が懸念されるポリ塩化ビフェニル(PCB)、DDT等の残留性有機汚染物質(POPs:Persistent Organic Pollutants)の製造及び使用の廃絶や制限、その意図的でない生成による放出の削減等の規制に関する条約です。   規制対象物質について検討を行う「残留性有機汚染物質検討委員会」(POPRC。加盟国の31人の専門家から構成。)においては、加盟国から提案された物質について、①スクリーニング、②危険性に関する詳細検討(リスクプロファイル)、③リスク管理に関する評価の検討の3段階のプロセスを経て、締約国会議(COP)に勧告します。  COPでの決定の後、各加盟国は、対象物質について製造、使用等を規制することになります。我が国では、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(昭和48年法律第117号)」等によって規制します。 ,  POPRCの第20回会合(POPRC20)は、2024年9月23日~27日にイタリア共和国のローマで開催され、我が国からは、メンバーとして金原和秀静岡大学学長特別補佐が、また、オブザーバーとして環境省・経済産業省の担当官等が出席しました。  POPRC20で決定した内容は、以下のとおりです。 , ①クロルピリホス(提案国:欧州連合) 【主な用途】殺虫剤  リスク管理に関する評価及びPOPs条約上の位置付け(製造・使用等の「廃絶」)について検討し、一部の農作物の害虫駆除や牛のダニ駆除、建築物の基礎に用いる木材の害虫からの保護のためのクロルピリホスの使用を適用除外とした上で、廃絶対象物質(附属書A)に追加することにつき、次回ストックホルム条約第12回締約国会議(COP12。2025年4~5月開催予定。)に勧告することが決定されました。 ②中鎖塩素化パラフィン(MCCP)(提案国:英国) 【主な用途】金属加工油剤・難燃性樹脂原料等  リスク管理に関する評価及びPOPs条約上の位置付け(製造・使用等の「廃絶」)について検討し、規制の対象となるMCCPの定義の範囲については炭素数14~17までのものであって塩素の含有量が全重量の45%以上であるものを対象とすると共に、自動車、分析機器や制御機器等の電気電子機器、医療機器に用いる金属加工油剤や修理用部品等のための MCCP の使用(加工プロセスを含む。)を適用除外とした上で、廃絶対象物質(附属書A)に追加することにつき、COP12に勧告することが決定されました。 ③長鎖ペルフルオロカルボン酸(LC-PFCA)※とその塩及びLC-PFCA関連物質(提案国:カナダ) ※ 炭素数:9~21 【主な用途】フッ素ポリマー加工助剤、界面活性剤等  リスク管理に関する評価及びPOPs条約上の位置付け(製造・使用等の「廃絶」)について検討し、交換用部品として設計された半導体や自動車の交換用部品のためのLC-PFCAの使用を適用除外とした上で、廃絶対象物質(附属書A)に追加することにつき、COP12に勧告することが決定されました。 , ①ポリ臭素化ジベンゾ-p-ジオキシン及びジベンゾフラン(提案国:スイス連邦) 【主な用途】非意図的生成物  提案国から提出された提案書について、残留性、濃縮性、長距離移動性及び毒性等を審議した結果、ポリ臭素化ジベンゾーp-ジオキシン及びジベンゾフランがスクリーニング基準を満たすとの結論に達し、次回会合(POPRC21、2025年9~10月開催予定)に向けてリスクプロファイル案を作成する段階に進めることが決定されました。 ,  在庫、使用中の製品及び成形品並びに廃棄物に含まれる残留性有機汚染物質の特定に関する文書や臭素化ジフェニルエーテルの評価及び検討に関する文書の検討が行われました。 ,  次回会合(POPRC21)は2025年9~10月にイタリア共和国・ローマで開催される予定です。また、POPRC19及びPOPRC20の結果を踏まえた第12回締約国会議(COP12)は2025年4~5月にスイス連邦・ジュネーブで開催される予定です。 , 連絡先 環境省大臣官房環境保健部化学物質安全課 代表 03-3581-3351 直通 03-5521-8261 企画官 長谷川 敬洋 専門官 西川 玄希 担当 酒井 学 環境省大臣官房環境保健部化学物質安全課化学物質審査室 代表 03-3581-3351 直通 03-5521-8253 室長 長谷川 敬洋

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