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令和6年6月18日 証券取引等監視委員会 株式会社エフ・ポートに対する検査結果に基づく勧告について 1.勧告の内容  四国財務局長が株式会社エフ・ポート(香川県高松市、法人番号9470001015768、代表取締役社長 山口 雅史、資本金1000万円、常勤役職員26名、投資助言・代理業)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る問題が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。 2.事実関係 (1) 金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為等  株式会社エフ・ポート(以下「当社」という。)は、主に既存顧客、100%株主の内藤祐也(以下「内藤」という。)及び業務委託契約先の株式会社Dホールディングス(大阪市、代表取締役は内藤。以下「D社」という。)から紹介のあった見込顧客を対象として、当社営業員がウェブ会議システムを通じた面談を行い、投資顧問契約の締結の勧誘を行っている。  今回検査において、当社の投資顧問契約の締結の勧誘状況について検証したところ、以下の法令違反行為が認められた。 ア 顧客に対し虚偽のことを告げる行為  ① 助言者に関する虚偽告知   当社営業員は、当社助言者が億円単位での取引の実績や1億円以上の利益を上げた事実はないにもかかわらず、顧客に対し、当社助言者が「現役億トレーダー」であるなど虚偽の内容を記載した資料を示しつつ、その内容を告げて投資顧問契約の締結の勧誘を行った。 ② 投資助言実績に関する虚偽告知 (a) 短期急騰株の的中実績に関する虚偽告知   当社営業員は、顧客に対し、実際に助言した事実がない銘柄について、当社の短期急騰株の的中実績として記載した資料を提示するなど、虚偽の内容を告げて投資顧問契約の締結の勧誘を行った。 (b) 最大損失率等に関する虚偽告知   当社営業員は、顧客に対し、過去の助言どおりに取引した場合の最大損失率が実際には46.2%であるにもかかわらず、12%であることなどの虚偽の内容を告げて投資顧問契約の締結の勧誘を行った。 イ 重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為 ① 当社の信用性に関する誤解表示   当社営業員は、顧客に対し、当社は四国財務局(以下「当局」という。)の登録(四国財務局長(金商)第24号)を受けているが、当局は当社の助言実績を審査したうえで登録していると顧客に対し伝えるなど当局があたかも当社の安全性及び助言内容の品質を保証しているかのような説明をして、投資顧問契約の締結の勧誘を行った。 ② 退会率に関する誤解表示   当社は、投資顧問契約解約の意向があった顧客に対して、1年間助言報酬の支払が免除される休会制度を設けているところ、休会者を含む実質的な退会率が12.3%であったにもかかわらず、顧客説明資料には「退会率1%以下!」と記載している。   当社営業員は、顧客に対し、上記説明資料を示しつつ、休会者の存在に触れることなく当該退会率1%以下との説明をして、投資顧問契約の締結の勧誘を行った。 ③ 投資助言実績に関する誤解表示(別紙参照)   当社営業員は、顧客に対し、短期急騰株の的中実績とする3銘柄について、あたかも急騰日が顧客に売り推奨を行った日付及び株価であるかのような資料を提示して、投資顧問契約の締結の勧誘を行った。 ④ 投資顧問契約数に関する誤解表示   当社営業員は、顧客に対し、実際の投資顧問契約締結者数が3,058名(令和5年8月末時点)であるにもかかわらず、投資顧問契約締結者数が、あたかも1万名以上存在するかのような説明をして、投資顧問契約の締結の勧誘を行った。   上記アの行為は、金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為であり、金融商品取引法第38条第1号に違反するものと認められる。   上記イの行為は、金融商品取引法第38条第9号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第2号に定める「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、虚偽の表示をし、又は重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為」に該当するものと認められる。 (2) 投資助言・代理業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しない状況及び投資助言・代理業を適確に遂行するための必要な体制が整備されていない状況   当社は、当社発行済株式100%を保有する内藤により実質的に支配されている状況が認められた。   また、当社には常勤役職員26名が在籍しているところ、高松市内に所在する当社の本店には、代表取締役社長である山口雅史(以下「山口社長」という。)のみが勤務し、その他常勤役職員は、大阪市内に所在する内藤が代表を務める金融商品取引業の登録を受けていないD社の本店事務所に勤務して業務を行っていた。   こうした状況において、当社役職員は、上記(1)の法令違反行為を行っていたほか、一部の顧客に対する契約締結時交付書面の未交付や専ら投機的利益の追求を目的とした有価証券の売買などの法令違反行為も行っている。   さらに、内藤の指示に基づき当社資金がD社等に流出しているほか、見込顧客の紹介を委託していたD社が当該業務を再委託した業者において見込顧客と当社との間の投資顧問契約を当社の関与なく締結していることを放置する等の不適切な業務運営を行っていた。   また、当社のコンプライアンス責任者である山口社長は、内藤が株主になった後、当社の運営に積極的に関与せず、上記の不適切な業務運営を放置していることに加え、内部管理責任者を含む当社役職員は内藤に言われるがまま業務を行っているなど、当社は、法令違反行為や不適切な業務運営をけん制・抑止する態勢となっていない。   上記のとおり、当社は、業務運営の適切性の確保等に対する意識及び法令等遵守意識が著しく欠如しているものと認められることから、金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しないものと認められる。   また、当社は、当社役職員の法令違反行為等を相互にけん制・抑止する態勢となっていないことから、金融商品取引業を適確に遂行するための必要な体制が整備されていない状況にあるものと認められる。   当社における上記の状況は、金融商品取引法第29条の4第1項第1号ホに定める「金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しない者」及び同号ヘに定める「金融商品取引業を適確に遂行するための必要な体制が整備されていると認められない者」に該当し、同法第52条第1項第1号に該当すると認められる。    参考資料(PDF:589KB)   (別紙)   ○ 投資助言実績に関する誤解表示の例 銘柄名     △△△(△△△には個別銘柄名を記載) 急騰日     令和4年5月15日 急騰価格    1100円 ※ 顧客に対して行った実際の助言内容 売り推奨日 令和4年3月25日 売り推奨額 373円 (参考条文)   ○ 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄) (登録の拒否) 第二十九条の四 内閣総理大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはこれに添付すべき書類若しくは電磁的記録のうちに虚偽の記載若しくは記録があり、若しくは重要な事実の記載若しくは記録が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。 一 次のいずれかに該当する者

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令和6年6月18日 証券取引等監視委員会 株式会社エフ・ポートに対する検査結果に基づく勧告について 1.勧告の内容  四国財務局長が株式会社エフ・ポート(香川県高松市、法人番号9470001015768、代表取締役社長 山口 雅史、資本金1000万円、常勤役職員26名、投資助言・代理業)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る問題が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。 2.事実関係 (1) 金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為等  株式会社エフ・ポート(以下「当社」という。)は、主に既存顧客、100%株主の内藤祐也(以下「内藤」という。)及び業務委託契約先の株式会社Dホールディングス(大阪市、代表取締役は内藤。以下「D社」という。)から紹介のあった見込顧客を対象として、当社営業員がウェブ会議システムを通じた面談を行い、投資顧問契約の締結の勧誘を行っている。  今回検査において、当社の投資顧問契約の締結の勧誘状況について検証したところ、以下の法令違反行為が認められた。 ア 顧客に対し虚偽のことを告げる行為  ① 助言者に関する虚偽告知   当社営業員は、当社助言者が億円単位での取引の実績や1億円以上の利益を上げた事実はないにもかかわらず、顧客に対し、当社助言者が「現役億トレーダー」であるなど虚偽の内容を記載した資料を示しつつ、その内容を告げて投資顧問契約の締結の勧誘を行った。 ② 投資助言実績に関する虚偽告知 (a) 短期急騰株の的中実績に関する虚偽告知   当社営業員は、顧客に対し、実際に助言した事実がない銘柄について、当社の短期急騰株の的中実績として記載した資料を提示するなど、虚偽の内容を告げて投資顧問契約の締結の勧誘を行った。 (b) 最大損失率等に関する虚偽告知   当社営業員は、顧客に対し、過去の助言どおりに取引した場合の最大損失率が実際には46.2%であるにもかかわらず、12%であることなどの虚偽の内容を告げて投資顧問契約の締結の勧誘を行った。 イ 重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為 ① 当社の信用性に関する誤解表示   当社営業員は、顧客に対し、当社は四国財務局(以下「当局」という。)の登録(四国財務局長(金商)第24号)を受けているが、当局は当社の助言実績を審査したうえで登録していると顧客に対し伝えるなど当局があたかも当社の安全性及び助言内容の品質を保証しているかのような説明をして、投資顧問契約の締結の勧誘を行った。 ② 退会率に関する誤解表示   当社は、投資顧問契約解約の意向があった顧客に対して、1年間助言報酬の支払が免除される休会制度を設けているところ、休会者を含む実質的な退会率が12.3%であったにもかかわらず、顧客説明資料には「退会率1%以下!」と記載している。   当社営業員は、顧客に対し、上記説明資料を示しつつ、休会者の存在に触れることなく当該退会率1%以下との説明をして、投資顧問契約の締結の勧誘を行った。 ③ 投資助言実績に関する誤解表示(別紙参照)   当社営業員は、顧客に対し、短期急騰株の的中実績とする3銘柄について、あたかも急騰日が顧客に売り推奨を行った日付及び株価であるかのような資料を提示して、投資顧問契約の締結の勧誘を行った。 ④ 投資顧問契約数に関する誤解表示   当社営業員は、顧客に対し、実際の投資顧問契約締結者数が3,058名(令和5年8月末時点)であるにもかかわらず、投資顧問契約締結者数が、あたかも1万名以上存在するかのような説明をして、投資顧問契約の締結の勧誘を行った。   上記アの行為は、金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為であり、金融商品取引法第38条第1号に違反するものと認められる。   上記イの行為は、金融商品取引法第38条第9号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第2号に定める「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、虚偽の表示をし、又は重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為」に該当するものと認められる。 (2) 投資助言・代理業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しない状況及び投資助言・代理業を適確に遂行するための必要な体制が整備されていない状況   当社は、当社発行済株式100%を保有する内藤により実質的に支配されている状況が認められた。   また、当社には常勤役職員26名が在籍しているところ、高松市内に所在する当社の本店には、代表取締役社長である山口雅史(以下「山口社長」という。)のみが勤務し、その他常勤役職員は、大阪市内に所在する内藤が代表を務める金融商品取引業の登録を受けていないD社の本店事務所に勤務して業務を行っていた。   こうした状況において、当社役職員は、上記(1)の法令違反行為を行っていたほか、一部の顧客に対する契約締結時交付書面の未交付や専ら投機的利益の追求を目的とした有価証券の売買などの法令違反行為も行っている。   さらに、内藤の指示に基づき当社資金がD社等に流出しているほか、見込顧客の紹介を委託していたD社が当該業務を再委託した業者において見込顧客と当社との間の投資顧問契約を当社の関与なく締結していることを放置する等の不適切な業務運営を行っていた。   また、当社のコンプライアンス責任者である山口社長は、内藤が株主になった後、当社の運営に積極的に関与せず、上記の不適切な業務運営を放置していることに加え、内部管理責任者を含む当社役職員は内藤に言われるがまま業務を行っているなど、当社は、法令違反行為や不適切な業務運営をけん制・抑止する態勢となっていない。   上記のとおり、当社は、業務運営の適切性の確保等に対する意識及び法令等遵守意識が著しく欠如しているものと認められることから、金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しないものと認められる。   また、当社は、当社役職員の法令違反行為等を相互にけん制・抑止する態勢となっていないことから、金融商品取引業を適確に遂行するための必要な体制が整備されていない状況にあるものと認められる。   当社における上記の状況は、金融商品取引法第29条の4第1項第1号ホに定める「金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しない者」及び同号ヘに定める「金融商品取引業を適確に遂行するための必要な体制が整備されていると認められない者」に該当し、同法第52条第1項第1号に該当すると認められる。    参考資料(PDF:589KB)   (別紙)   ○ 投資助言実績に関する誤解表示の例 銘柄名     △△△(△△△には個別銘柄名を記載) 急騰日     令和4年5月15日 急騰価格    1100円 ※ 顧客に対して行った実際の助言内容 売り推奨日 令和4年3月25日 売り推奨額 373円 (参考条文)   ○ 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄) (登録の拒否) 第二十九条の四 内閣総理大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはこれに添付すべき書類若しくは電磁的記録のうちに虚偽の記載若しくは記録があり、若しくは重要な事実の記載若しくは記録が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。 一 次のいずれかに該当する者

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